別の携帯電話会社への乗り換えや、毎月の携帯料金を節約する時など、格安SIMにするときによく耳にするのがこの「MNP」という言葉。なんとなく面倒くさいというイメージがあるのではないでしょうか?
この記事ではそんな方向けにMNPに関しての手順と注意点を分かりやすく解説いたします。ぜひ最後までご覧いただき参考にしてください!
そもそもMNPとは?
MNPとは「Mobile Number Portability(携帯電話番号ポータビリティ)」の略です。ポータビリティとは日本語でいうなら「可搬性とか移植性」と訳されます。かんたんに言うならば「持ち運びをする」ということですね。携帯電話番号を変更することなく他の携帯電話会社に乗り換えられる制度で、2006年から実施されています。
以前は携帯会社を変えることは、イコール契約をしなおすので別の電話番号に変わることを意味していました。そこで利用者の利益と、事業所間の正当な競争を活性化させるために電話番号が変わらないこの仕組みが整備されました。これはドコモやau、ソフトバンクなどの3大キャリアからの乗り換えだけではなく、格安SIMから別の格安SIMへの乗り換えも同様に可能です。
簡単に言えば、乗り換え前の携帯電話会社からMNP予約番号を発行してもらい、乗り換え先の携帯電話会社にその番号を伝えることで簡単に電話番号を引き継げる制度がMNPだよ!
とっても簡単だね!
MNP活用の手順
手順の流れをチェック!
MNPの手順は引っ越した時の手順と同様に考えると分かりやすいです。
- 旧携帯電話会社でMNP予約番号を取得(旧住所の市役所へ行くイメージ)
- 乗り換え先の携帯電話会社にMNP予約番号を伝え申し込む(新住所の市役所へ行くイメージ)
- 新しい契約先の携帯電話会社でAPN設定をする(新住所で生活を開始するイメージ)
順調に手続きが進めばそれほど難しいものではありません。ここではそれぞれの手続きについて、順番にチェックしていきます。
① 旧契約携帯会社で番号を取得
MNPの手続きを進めるために必要な番号がMNP予約番号です。旧契約携帯会社と新契約携帯会社とを結び付ける番号で、これがないと電話番号を引き継ぐことができません。
MNP予約番号の発行は現在契約している携帯会社に申し込んで行います。3大キャリアの場合は電話、Webサイトまたは店舗で手続きすることができ、格安SIMの場合はWebサイトから行うのが原則です。
以下に3大キャリアからの転出するために必要なMNPの予約番号を取得する場合の連絡先、Webから取得する手順をまとめておきますのでご確認ください。
電話番号 | 受付時間 | Web | 受付時間 | |
docomo | 携帯:151 一般電話:0120-800-000 | 9時~20時 | マイドコモ その他→ドコモオンライン手続き→MNP | 9時~21時30分 |
au | 0077-75470 | 9時~20時 | My au スマートフォン・携帯電話→ご契約内容/手続き→お問い合わせ.手続き→MNPご予約 | 9時~21時30分 |
SoftBank | 0800-100-5533 | 9時~20時 | My SoftBank 設定・申込→契約書情報の変更→MNP予約 | 9時~21時30分 |
以前は契約月によって解約金がかかりましたが、NTTドコモは2021年10月、auは2022年4月、ソフトバンクは2022年2月から、旧プランも含めて解約金が廃止されています。
② 新契約携帯会社でMNPの転入の手続き
次に乗り換え先携帯電話会社への申込み手続きを行います。下記記事では携帯電話会社を乗り換える方法や注意すること、おすすめの格安SIMも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
大手携帯電話会社への転入手続き
大手携帯電話会社の場合はショップの窓口やオンラインショップなどで手続きをすることができます。
「MNP転入」か「新規番号取得」かの選択肢がありますので、必ず「MNP転入」での契約を選んでください。
格安SIMへの転入手続き
格安SIMの場合は原則オンラインでの転入手続きになります。大手携帯電話会社と同様、
「MNP転入」での契約を選びます。
どちらにしても、「MNP予約番号」「有効期限」を指定する必要があります。
オンラインショップでの手続きの場合は、有効期限が10日以上必要な場合がありますので、はやめはやめの手続きをおすすめします。
③ 新しく契約する携帯会社でのMNPの利用開始手続き
大手携帯電話会社の場合は、原則ショップの窓口で開通手続き行います。一方で格安SIMの場合は手元にSIMが届いたら、ご自身でMNP開通手続きを行う必要があります。多くの場合は専用の番号へ電話をかけるか、ホームページから手続きを行います。詳細は各々で違いますのでSIMに付属している説明書でご確認ください。
開通手続きが終わったら回線の利用設定を行います。大手携帯電話会社の場合は原則ショップの窓口で回線利用の設定までしてもらうことが可能です。一方で、格安SIMの場合はネットワークへの接続設定が変わりますので各自で変更してください。下記記事でも詳しく解説していますが、設定方法はそれぞれの会社により異なりますので、SIMに付属している説明書でご確認ください。
MNP利用時の注意点
メールアドレスは原則引き継げない
MNPによって持ち越しができるのは電話番号のみですので、キャリアメールは原則引き継ぎできません。
ただし2021年の12月からドコモやau、ソフトバンクなどの3大キャリア、一部のサブブランドがキャリアメールの持ち越しに対応するようになりました。これにより年額3,300円程度の維持費を旧携帯会社に支払うことによって、キャリアメールを使い続けることが格安SIMでも可能となります。詳しくは下記記事をご確認ください。
SMS(ショートメール)はそのまま利用可能
電話番号に依存するのがSMSですので、同じ番号でSMSを送ることができます。受信側も今までと変わることはありません。ただし過去の受信データは引き継がれないので、重要なメッセージなどがある場合は別途考慮する必要があります。
WEBメール(フリーメール)がおすすめ!
Android端末なら必ず取得しているGmail。iPhoneでもほとんどの方が使える状態です。乗り換え後もそのまま使えるフリーのWebメールがおすすめです。フリーメールにすることで、携帯電話会社乗り換え時でも安心して使い続けることができます!
旧契約はいつ解約される?
MNP予約番号には取得日を含めて15日間の有効期間が設けられています。したがって何もしなければ、転出は出来なくなってしまいます。ペナルティはありませんが再発行などの手間がかかるのでMNP予約番号を取得したらなるべく早く乗り換え手続きを進めることをおすすめします。
ちなみに乗り換え前の携帯電話会社との契約はMNPでの乗り換えて続き完了後(回線開通後)自動解約されます。そのため自分から解約手続きを行う必要はありません。
名義の変更に関して
乗り換えをするのと同時に名義を変更しようと考える方も多いのではないでしょうか。しかしMNPは旧契約の名義と新契約の名義が同じであることが前提です。MNPは同じ名義で行うことが前提ですから、そのような場合は旧契約を転出する前、もしくは新契約に転入した後に、名義変更する必要があります。ただし格安SIMへのMNPの場合は名義変更がむずかしいケースもあるようですので、転出する前に変更した方が安心かもしれません。
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まとめ
このMNPの仕組みが出来てから、携帯会社の乗り換えはずいぶんと楽になりました。3大キャリアの中での乗り換えだけでなく、格安SIMへの乗り換えもこの仕組みで簡単にできるようになりました。
かつて電話の契約はすべて3大キャリア任せでしたが、この仕組みによってずいぶんと自由度が高まったように感じます。「やっぱり3大キャリア任せにする」もよし、「格安SIMをつかって自分の使用環境に合わせてリーズナブルにする」もよし。
乗り換えを検討している方はぜひMNPを使って、ご自身に合せたスマホ環境にお役立てください。最後までお読みいただきありがとうございました。